【山百チャレンジ3座目 三方分山】古道を辿り山繋ぐ三方分山へ。そして富士の"パノラマ"へ縦走!

山梨百名山チャレンジを始めて間もないですが、早速多くのお客様から応援のお声をいただいているスタッフ綾井です!

ある意味自己満足な企画で始まりましたが、お客様も巻き込んで山に登りたいな~なんて、まだまだ残っているのに妄想が止まりません(笑)


さて今回は御坂山塊の「三方分山(さんぽうぶんざん)」です!

前回の山行記録はこちら👇

三方分山とは、旧村名である古関、八坂、精進の3村(いまは、甲府市、身延町、富士河口湖町)の境界にあったために付けられたことに由来します。

下の地形図を見てもらえれば一目瞭然、尾根が三方に延びている御坂山塊の西端に位置する山である。


前回の三ッ峠山編に続き、御坂山塊を続けて登ってきました!

前回見れなかった富士山の景色を見てやろうと必死です!🔥


今回のコースは精進湖の北側にある「精進バス停」から女坂峠へ登り、尾根道をそって三方分山山頂へ。

下山コースは尾根道をそなまま進み精進峠、根子峠を越え、パノラマ台に寄ってから下山するルートを取ります。


ピストンではなく、ぐるっと回りこんで登山口に戻ることができるので、一日かけて三方分山を楽しむなら間違いのないおすすめコースといえるでしょう。


①旧中道往還から三方分山へ

【スタート】県営精進湖他手合浜駐車場(06:50)-精進バス停(07:00)-阿難坂(07:50)-三方分山(08:30)

富士五湖の中でも、個人的に大好きな「精進湖」から今回の山行はスタートします。

河口湖や山中湖に比べ静かで、何よりここでいっぱいワカサギを釣ったいい思い出もあるからです(笑)

ぐるっと回りこんでくるので、最初は車道歩きになりますが「県営 精進湖他手合浜 駐車場」からスタートとなります。

ここは道路を挟んで公衆トイレもあるので、安心です。


そして精進湖からはいきなり…

ドドーッン!と富士山の景色🗻😲

同じ御坂山塊の三ッ峠山では最後まで見れなかったけど、晴れていたらどこからでもこの眼前の富士山が見れるのは、このエリアの魅力ですよね~。

富士山を右手に見ながら林道を歩いていけば、精進バス停はすぐです。

ここもパスして進んでいきます。


すぐに現れる精進の大杉を指す道標通りに左折すれば、「旧中道往還」へと入っていきます。

中道往還とは甲斐の国と駿河の国を結ぶ街道で、古代から開かれた歴史の古い道となります。

峠道として使われなくなって久しいですが、当時の面影を残す神社や住宅跡がいまだに残されています。


昔の商店や神社を見つつ寄りつつ、中道往還を進んでいきます。

ここまでは今でも住んでらっしゃる方もいて、車の往来もありましたね。

コンクリートから明らかに道の雰囲気が山道に変わりますが、そのまま進んでいきましょう!

女坂峠までの山道がここから始まります。

峠に出るまでは基本的に沢沿いに進みますが、その沢を渡ったり尾根に乗ったりとジグザグ進みます。

峠まで出れば尾根道となり気持ちよいトレイルとなりますが、ここは我慢して進むしかないですね~。

恩賜林(おんしりん)の境界標も二個ほど見られました。

「恩賜林」は山梨百名山を歩いていれば必ず出てくるワードの一つですよね。


恩賜林とは明治末期に起きた山梨県の大水害を受けて、天皇家から無償で山梨県に下賜された山林を指します。

これらは県有林となっていますが、なんと山梨の県土の約3分の1を占めるほどの大きさなんです。


斜度がきつくなってくれば峠までもうひと踏ん張り。

今回の目的である三方分山も見えてきました。

この時期は葉が落ちているので、見晴らしもよく自分の位置もよく分かります。

しばらくして阿難坂(通称:女坂峠)に到着です。

"難"という字にあるように中道往還の難所であったことがうかがい知れます。


ここから王岳、更に東には三ッ峠山など御坂山塊は全て繋がっています。

女坂峠というのは別名で、身重の女性がこの道中に母子共に亡くなったのちに、この場所に子を抱いた石地蔵を建て、石地蔵が女石と名付けられたことから女坂と言われるようになったそうです。


ちなみに「峠」と「坂」は同じ意味を持ち、「坂」と付けられた名前のものは古い道の各所で見られます。

さてこの山行の目的である三方分山へ向かいます!

女坂峠からは尾根道が続くので、起伏はあるものの風も通って気持ちの良い道に変わります。

とはいえまだ3月、少し風が冷たかったですね。

三方分山と女坂峠の間にUTMF(ウルトラ・トレイル・マウント・フジ)のコーステープが残ってました。

後で聞いた話ですが、ここはUTMFのコース外で、以前開催されたUTMFとの提携レースで使われたものだそうです。

とはいえ今年も4月に開催される100マイル(約160km)レースですが、今年はどんなドラマが生まれるのか楽しみですね。

登りが落ち着いて、広くなってくれば山頂は間もなくです。

三方分山 (1,422m)に到着です。

写真は尾根が三方に延びる三方分山ポーズ、説明しないと分かんないやつですね(笑)

山頂から富士山側には展望も開けていて、ここからも眺望を楽しむことができます。

富士山の手前にちょこんとあるのが大室山で、精進湖からのビュースポットとして子抱富士と名付けられています。


ちなみにこの大室山は山梨百名山の大室山とは違い、山梨百名山の方は道志村にある西丹沢の山を指します。

ここから尾根を辿って同じ山梨百名山の「蛭ヶ岳」、近くの四尾連湖まで歩いていくことができます。

冒頭で村(国)の境界線となっていたと述べましたが、登山者視点で言えば山と山を繋いでいるという感覚の方がしっくりくるんですよね。


独立峰でない限り、山は基本的に他の山に繋がっているものです。

しかしここまで山を繋ぐ山として分かりやすく、そして名前にもその影響があるのは数少ないのではないでしょうか。


さてここからは上写真の"精進峠より精進湖"の方向へ向かいます!


②縦走から富士の"パノラマ"へ

三方分山(08:35)-精進山(08:45)-精進峠展望地(09:20)-根子峠(09:55)-パノラマ台(10:10)

次なる目的は「パノラマ台」です!

パノラマ台はその展望の良さから、パノラマ台を目的として登られる方が多く、意外と人気に高い登山スポット。


パノラマ台までは尾根道沿いに精進峠、根子峠を越えていきます。

手作りの山頂標識がある「精進山」は三方分山からすぐに到着。

そして三等三角点、基準点名 「西ノ入」。基準点は由来が分からない名前が付けられたりするので、後から調べると楽しいですよ。

三方分山を回ってパノラマ台へ行く場合は、尾根道とはいえ特に変化が無いので長く感じますね~。

逆回りをしてしまうと登り基調になるので、今回のように反時計回りで縦走するのがいいと思いますよ。

進んでいくと、常緑広葉樹が目に付くようになりました。

どんぐりがここらへんによく落ちていましたが、木の種類はどうも覚えが悪くて何の木かは判別できず…花だけじゃなく木も勉強すればもっと登山の楽しさに深みが出るんですがなかなか😅


帰り道の分岐でもある「根子峠」に到着。

三方分山から休憩も挟んで約1時間半の行程でした。

ここまで来ればパノラマ台はあと少しです!

パノラマ台までの道の途中にも分岐が、ここから本栖湖の「千円札の逆さ富士」展望地に行く事もできるんですね。


ここから更に進むと視界が明るくなってきて

「パノラマ台」に到着です!

パノラマ台は精進湖から直接根子峠に上がれば1時間ほどで登頂できるので、三方分山とは違いこの展望台ではハイカーさんが賑わいを見せてました。

最後は富士山のパノラマで締めくくろうと思いましたが、なかなかうまいこと行きませんね、、😭

山頂は濃い傘雲がかかっていました。

山梨百名山チャレンジはなかなか天気に苦労しそうです。

富士山運は無くとも、今日辿った三方分山、そこから続く御坂山塊の景色はばっちりです。

望遠レンズで覗けば御坂山塊の西端から東端(正確には端っこではないですが)まで見えて、三ッ峠山の電波塔がよく分かります。

御坂エリアは二座連続となりましたが、まだまだ山梨百名山は残っています🔥


③快適な下山道で精進湖周回トレイルの完結

パノラマ台(10:25)-根子峠(10:35)-パノラマ台下バス停(11:07)-【ゴール】県営精進湖他手合浜駐車場(11:10)

三方分山、そしてパノラマ台は恥ずかしながらお客様から行ったという報告を聞いていたのですが、今回は自分にとって初登頂となりました。

景色は良いと聞いていましたが、旧中道往還など歴史にも触れることができた充実の山行に。


今回も山行前後に山についていろいろと調べてみると、山頂の景色だけでなく途中の見どころスポットや三等三角点でさえも、面白い発見がもたくさんありました。

山梨百名山チャレンジ企画はまだ3座とはいえ、楽しく続けることができそうです!


根子峠に戻って精進湖まであとは下りるだけです。

パノラマ台へ向かう人気のトレイルとあって、道はしっかりと整備されていました。

根子峠から約30分で精進湖岸の「パノラマ台下 バス停」に到着です。

ここからスタート地点の駐車場までは3分ほど歩けば戻ることができました。

道路を歩くのは入山時もありましたが、長くは無いので苦にはなりませんでした。



さてこれにて三方分山編は終了です!

周回とはいえ半日で歩けるコースだったので、朝早く来れない遠方の方でもチャレンジできると思いますよ~。


三方分山立ち寄りスポット

山の後はお風呂に入りたいですよね~

今回は紹介したスタート地点の駐車場からすぐの日帰り入浴可能な施設を紹介します!


山田屋ホテル

駐車場からすぐのところにある山田屋ホテルさんは、日帰り入浴も可能です。

見どころは何といっても温泉から見える富士山です!

※山田屋ホテルホームページから引用

こんな景色が見たかった(笑)

僕が行った時は曇ってここまできれいには見えませんでしたが、富士見風呂はとても気持ち良かったですよ~!


三方分山まとめ

【今回の山行記録】

山行時間:04:21 距離:8.3 km

登り:751 m 下り:745 m


【標準コースタイム(目安) 4時間30分】

県営精進湖他手合浜駐車場ー0:10ー精進バス停ー1:00ー女坂峠ー0:50ー三方分山ー1:20ー根子峠ー0:15ーパノラマ台ー0:50-パノラマ台下バス停ー0:05ー県営精進湖他手合浜駐車場


【アクセス(県営精進湖他手合浜駐車場)】

・車

中央自動車道河口湖 I.C ⇒ R139本栖・精進方面へ20km ⇒ 精進赤池信号右折、湖畔側道沿(I.Cより25分)

・公共交通機関

最寄り駅 河口湖(河口湖駅よりバスで約35分 / 本栖湖・下部方面行き乗車)


【アドバイス】

トイレは駐車場からすぐの公共トイレのみ。序盤の沢沿いを登る峠道では取水ができますが、飲み水はしっかりと持っていく方がいいでしょう。

精進峠でもエスケープして精進湖に戻ることができます。

分岐の峠にはそれぞれ道標も付いているので、道迷いの心配は少ないでしょう。


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続いての山行記録はこちら👇