【山百チャレンジ4座目 九鬼山】鬼住む伝説の山と、春を呼ぶ黄金の花【秀麗富岳十二景】

この時期といえばやはり山と桜でしょう!

お花見シーズン到来、というかもう終わりを迎えつつあり、予定を前倒しして行ったのが

「九鬼山」「岩殿山」です。

特に岩殿山の桜は見事で、山頂の桜はもちろん、麓の丸山公園から見る桜と岩殿山は必見です。

今回は岩殿山に登る前に九鬼山に登って来たので、まずはそちらのレポートをさせていただきます!


前回の山行記録はこちら👇

九鬼山は都留市と大月市の境にある標高970mの里山です。

山梨百名山の中でも標高は低く、比較的容易に富士山の景色を望める山になります。

ちなみに写真に写っている高速道路のようなものは、リニアの実験線です。


© 2017-2023 大月市観光協会

さて九鬼山は山梨百名山だけでなく、秀麗富岳十二景にも選定されています。

秀麗富岳十二景とは

大月市のふるさと創生事業として観光促進や自然保護に活用するために定められた。大月市から見て南南西方向にある富士山は三ツ峠山等の山々がその裾野を隠すことになるが、これを富士山が十二単を身につけているように見えるとして、12の数字をとって十二景が選ばれた。選定は大月市出身の山岳写真家白簱史朗を中心におこなわれ、1990年に白簱による撮影が行われた。 wikipediaから引用

こういったテーマに則って選定される山のシリーズは、山梨県内に絞ってもいくつかあります。

山梨百名山に甲斐百山、秀麗富岳十二景に甲府名山25座など、山の多い山梨県ならではの充実っぷりですね(笑)

ちなみに秀麗富岳十二景に選定された山の多くは、山梨百名山にも選定されているので、こちらもこの企画の中でコンプリートを目指したいですね~。


大月・都留の山々は「桃太郎伝説」の舞台でもあります。

昔むかし、おばあさんが「桂川」で洗濯をしていると、どんぶらこどんぶらこと大きな桃が「ももくら山」の麓から流れてきました。その桃から生まれたのが「桃太郎」。「鶴島」にて成長した桃太郎は、「岩殿山」に住む悪い鬼の退治に出かけました。道中、腰に付けたきび団子をあげ、「犬目」でイヌを「鳥沢」でキジを、「猿橋」 でサルを家来にしました。桃太郎軍団との激闘の末、攻撃に耐えかねた鬼は逃げ出し、隣の「徳巌」に足をかけると、哀れなことに股が裂けてしまいました。 

あれ、九鬼山は?とさらに調べてみると

桃太郎が富士山に住む10匹の鬼を退治したところ、1匹が大月の岩殿山に逃げて、残り9匹が禾生(かせい)にある山に逃げたから「九鬼山」になった、という説もあるようです。

大月の桃太郎伝説では鬼が住む山といえば「岩殿山」というイメージでしたが、九鬼山も鬼にまつわる伝説がある山になります。

とはいえ岩殿山の山容のほうが、鬼が住んでそうな雰囲気がありますけどね。


今回セレクトしたコースは池の山コース登山口から札金沢コースを登り、池の山コースを下りました。

山行レポートの最後には、この時期にぜひ行ってほしい「立ち寄りスポット」コーナーもありますので、最後までご覧くださいませ!


①札金峠を越え山頂へ

【START】池の山入り口(09:20)-札金峠(09:47)-紺屋の休場(10:10)-九鬼山(10:46)

実は朝一で岩殿山へ行って富士山と桜の写真を撮ろうと思っていたのですが、この日は朝からどんよりとした曇り空。

天気の回復を登山口で待つよりも、九鬼山にさくっと登ってしまおうと、急遽決めたのがこの山行です。

登山口は「道の駅つる」から車なら10分もかかりません。



登山口の池の山入口には、路肩に十分車を停めるスペースがあります。

最寄り駅の「田野倉駅」からでも、徒歩で15分ほどと、公共交通機関を使うハイカーさんにも優しい九鬼山。


札金沢コースと池の山コース分岐は登山開始地点から歩いてすぐのところにありました。

帰りは沢の対岸側から戻って来るようです。


それにしても桜が見事です…大月・都留エリアは来る道中でも見事な桜並木がいくつもあり、運転しながら目を奪われていました。


桜並木が終われば、残念ながらつまらない林道のアプローチとなります。

池の山コースなら100%のトレイル率となりますが、札金沢コースの序盤は我慢が続きます。


林道を進めば山の手側にトレイルの入り口がありました。

ここからは山道となります!

登山道の入り口はとても急で面を喰らいましたが、この急登は長続きしませんのでご安心を。

暖かい日が続く3月の下旬ということで、日当たりのいい木は既に芽吹き始めていました。

新緑の登山シーズンも間もなくやってきます。


札金峠に出れば、尾根歩きへと変わります。

九鬼山と反対側へ尾根を進めると、猿橋駅まで出ることができます。

大月駅から河口湖駅まで繋がる富士急行線を使えば、都留アルプスや九鬼山など都留エリアの山はワンウェイで楽しむことができます。

「八 △ 山」の境界標石を発見!

山百チャレンジ三方分山編にて、「恩賜林」の境界石について簡単に説明させていただきましたが、この意味は何なんでしょうか、、知ってる人がいたら教えて欲しいです!


まだ落葉しているので、目標の九鬼山を視認することができました。

まだ少し遠く感じますね~


開けた場所に出れば、そこは「紺屋の休場」。

都留市街方面は木々が開けているので展望があります。

ここから先は急登や岩が露出する箇所があるので、少し休んで行くのもいいでしょう。


トラロープの張ったトラバースを越え

また尾根道に乗れば、ここから最後の急登が始まります!

痩せ尾根や露出した岩場は少しありますが、ロープが張られていたりするので、岩場が苦手な方でも気を付けて進めば大丈夫です。

九鬼山(970m)到着です!

山頂まで1時間半ほどで到着しましたが、久しぶりに汗かきました!

山梨百名山の標柱に、秀麗富岳十二景の標柱が並び立つ山頂となります。

とはいえ山頂側から富士山方向の展望は無く、ここから都留市側に下りて行けば展望スポットがあります。


②池の山コースを経て下山

九鬼山(11:00)-天狗岩(11:15)-田野倉方面分岐(11:30)-池の山(10:40)-池の山入り口(12:00)

さて下りは池の山コースから登山口に下山します。

ここからは展望スポットもあるという事ですので、登りは微妙だった分少しワクワクしながら下山していきます

尾根から外れ本格的な下山が始まると、これがなかなかの斜度。

登りの登山者さんとすれ違いましたが、皆さん息をあげながら登っていました。

じきに「眺めよし 天狗岩」の看板が見えてきます。

薄曇りだったのであまり期待はできませんでしたが、サクッと行ってこれるので寄ってきました。

巨岩を想像しながら寄ってきましたが、かわいいサイズの岩が露出しているこの場所が天狗岩となります。

とはいえ眺めは確かによくて

南西方向に都留の街を見下ろしながら、御坂山塊や道志山塊の山々を見ることができます。

本当は富士山も見れる場所なんですけどね


展望はサクッと楽しみ、帰り次なる山へ行かなければ、、

にしても結構急ですね、池の山コース。

膝を壊してる僕はストックをつきながら慎重に下ってきました。

田野倉方面の分岐では、ちゃんと道標があるので間違えずに降りることができます。

田野倉駅からだけでなく、九鬼山の登山道は禾生駅(かせいえき)まで繋がっています。

電車の方は田野倉駅から登って、禾生駅に向かって下山なんてプランもありですね。

このコースの途中にも富士山絶景スポットがあるのですが、天狗岩の時と状況は変わらずでした。

その代わりリニア実験線は良く見えるんですが、、

最後は飛び石を使って沢を渡れば

池の山コースの入り口分岐、今回の登山口にすぐ戻ることができます。


急登ではありますが、登りであれ下りであれ個人的には池の山コースの方が楽しかったですね~。

登りで池の山コースで展望をゆっくり楽しみながら、下山で歩きやすい札金沢コースというのもありかもしれません。



サクッと登れて、天気が良ければ秀麗富岳十二景に選ばれるほどの富士山の景色も見ることのできる九鬼山。

富士山は天気の都合で見れなかったですが、鬼が住む伝説らしきスポットも特に見当たらなかったです。

この日のうちに行く岩殿山は大きな岩屋などに逸話を説明する看板があり、まさに"らしい"スポットがあります。その一方で九鬼山は変に観光化させずにそのままの山の姿で迎えてくれました。

鬼も静かな九鬼山の方が居心地が良かったのかもしれませんね。



九鬼山立ち寄りスポット

近くのリニア見学センターでも寄ろうかと考えましたが、偶然友人がSNSで挙げたお花スポットに心奪われ、今回はこちらをチョイスさせていただきました。

都留アルプス ミツマタ群生地

こんな見事なミツマタの群生地が都留にも合ったんですね~(知らなかったです)

3月下旬に見頃を迎えるミツマタの花がちょうど見頃でした!


ここは都留アルプスというご当地アルプスの登山道中にあります。

とはいえミツマタ群生地までは楽山球場から10分ほど歩けば着くことができるので、九鬼山登山後でも寄ることができます。

九鬼山よりもテンション上がったかもです(笑)

香りも甘くていい香りでした。

春は桜だー!とやってきた大月・都留エリアでしたが、日が入ればより黄金色に輝くミツマタを見て、春を五感で楽しむことができました。


桜の時期に行かれる際は、ぜひ都留アルプスのミツマタ群生地は必見ですよ~!


九鬼山まとめ

【今回の山行記録】

山行時間:02:40 距離:5.5 km

登り:572 m 下り:570 m


【標準コースタイム(目安) 3時間00分】

池の山入り口駐車場ー0:05ー札金峠分岐ー0:45ー札金峠ー1:10ー九鬼山ー0:30ー田野倉方面分岐ー0:25-札金峠分岐ー0:05ー池の山入り口駐車場

※田野倉駅から池の山入り口までは片道15分ほどです


【アクセス(池の山入り口駐車場)】

・車

高速都留IC、もしくは大月ICから下車し、どちらも約15分。

Google MAPでは「九鬼山 池の山コース登山口」で設定する。

・公共交通機関

富士急行線「田野倉駅」から徒歩15分


【アドバイス】

札金沢コースは、山頂に近づくにつれガレ場やトラバース道あり。雨の日など条件の悪日は避けたい。池の山コースは急登となるが、札金沢コースよりも距離は短い。

登山道上には水場やトイレは無いので、車の方は「道の駅つる」で準備を済ましたい。


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