最近は初春らしい三寒四温を実感する天気が続いていますね。街では花がちらほらと咲き始め、山の雪も徐々に解けてきました。冬山シーズンは終わりといっていいかもしれませんが、これからの残雪期シーズンもまだまだ楽しみましょう!
今回は以前アップした「北岳雪山登山」の後編をお届けします。前編はこちらをご覧くださいませ。↓↓
二日目は避難小屋から北岳山頂へアタックする、本番といっていい核心のパートです。未明からスタートし、まずは森林限界を超えた「ボーコン沢の頭」でご来光を迎えるために、暗闇の中で足を進めます。
砂払いという疎林帯に着けば「ボーコン沢の頭」まであと少し。振り返れば素晴らしいご来光を約束するように、濃い青の空に朱の帯が地平線から徐々に染め上げてきました。
ここで冬毛を纏ったライチョウのつがいと出会います。こんな時に限ってフォトグラファーの武部さんがカメラの準備で後れを取ってしまい、携帯のカメラでしかライチョウを写真に収めることができませんでした。でも今年も無事に越冬してくれて本当に良かった。
強風につきハードシェルやオーバーグローブも装備します。この時間が一番寒かったですね。
ボーコンの沢の頭に到着。ここでご来光を迎えようと、日の出まで待機します。店長はケルンで風を防ごうとしていますが、動いたほうがまだましな強風でした。
お日様が出てきてくれました。日の出間もない弱い光でも、不思議と体から力が沸き上がるありがたいお日様です。
北岳は東面に北岳バットレスという日本屈指の岩壁を抱えます。その大きな壁が赤く染まる姿は、何度見ても感動します。
武部さんもここぞとばかりにカメラのシャッターを切りまくり。武部さんが撮った写真はこのブログの最後にまとめて載せますので、もうしばし駄文にお付き合いください。
ご来光を拝むことができました、あとは山頂へ登るのみ!ここからがこの登山の本番です。
ボーコン沢の頭から北岳へ続く稜線は、冬だけでなく夏にも訪れてほしい名ルートです。常に北岳を見ながら、気持ちの良い稜線散歩ができます。ここの核心部がこれから越える「八本歯の頭」です。
八本歯の頭からコルまでの下降が冬の北岳で難しいところです。雪が少なかったため、お助けロープが出ていました。今回は持って行ったロープは出さずに、無事に降りることができました。
今まで順調に来ていましたが、八本歯を超えて次の主稜線まで登るところまでで疲労が出てきた。一歩一歩が重く感じます。
北岳の主稜線に到着!山頂まではあと僅かです、店長ファイト!
急な山頂直下の南側斜面も、ピッケル・アイゼンを駆使して這いつくばるように登ってきました。後ろに見えるのは間ノ岳です。
稜線の雪庇に気を付けながら進めば、もう山頂が目の前に迫っていました。ようやくやって来た山頂の直前にて、まだ終わりたくないという気持ちが沸き上がってきます。
北岳山頂到着。他の二人も各々のペースでゆっくりと山頂へ到着。お疲れさまでした!
わざわざ持ってきた「エルク旗」を中込と綾井が持って、記念写真を撮りました。風で旗が持ってかれそうに…旗をなくしたら社長に怒られるので掴んで離さないように必死。笑
強風のため記念撮影もそこそこに、下山を開始します。下山時の事故はよくある話なので、樹林帯に入るまでは気が抜けません。
山頂直下のくだりをやり過ごせば、雪面にステップを切ってやっとの大休止。ここでようやく一安心といったところでしょうか。
下りはあっという間に。ボーコン沢の頭から先ほど登った北岳を振り返ります。やっぱりこの角度からの北岳はかっこいい。
樹林帯に入ればあっという間に避難小屋に帰ってきました。特に下りの中込店長はカモシカのように速いんですよ。
帰ったらカンパーイ!!うんうん、350缶じゃないよね、500缶だよね。二日目の行程は10時間、13時には小屋に戻ったけど、疲れてまた夜を迎える前に3人は眠りにつきました。
三日目はサクッと。朝寝坊をかました3人は日が出てすっかり明るくなってからスタートです。
帰りの林道までのくだりが、凍結してつるつる滑りながら。
夜叉神ゲート手前の展望スペースで、北岳へ最後のお別れです。
お疲れ様でしたー!怪我がなく無事に下山できたことが何より。
すごくテクニカルな登山ではないけど、重い荷物を背負っての長いアプローチや、急斜面も含む長い雪稜歩き。忍耐力を要するのが北岳の冬山登山といえるでしょう。帰り道もそんな南アルプスの冬もいいねって、来年は甲斐駒ヶ岳か仙丈ケ岳か、そんな話をしながら疲れも忘れて語り合いながら帰路につきました。
最後にアウトドアフォトグラファーの武部努龍さんの撮った写真で締めさせていただきます。どうぞご覧くださいませ。※本ブログでも武部さんの写真を一部使用させていただいております。
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