【白馬乗鞍岳 BCスキー 2018.2.12】極上のパウダーか、それとも地獄のパウダーか

久しぶりのフィールドレポート更新になります。年末年始から2月はイベント・展示会まわりで忙しかったのもありますが、スタッフ綾井はなによりバックカントリースキーにチャレンジするべく、ゲレンデで地味に練習をしていたのが久しぶりの投稿の理由

いざバックカントリーへ、という日に限って大雪や雪崩のリスクが高くゲレンデで練習というのが続いていました。

さらに格好の山スキー日和に限って、共に行く予定だったスタッフ深澤が蓄膿症になるというタイミングの悪さ。

そして遂にこのうっぷんを晴らす時がついに来た!定休日の2月13日は雪のコンディションはよさそうだ。

参加するのはBCスキーに憧れつづけるスタッフ綾井。スキー歴が長くBCも経験が豊富なスタッフ深澤。まさかのスキーは20年振りという我らが店長中込。

そしてそんな店長を心配して、急遽参加していただいた店長の盟友バンカメさん。

参加者の技術度がとてつもなくかけ離れているが、深澤さんとバンカメさんにおんぶにだっこ状態でいざ極上のパウダーへ!!


白馬乗鞍岳へ行くには栂池スキー場からゴンドラへ乗り、ハイクアップをしなければいけない。

しかしいきなりスキー20年振りのテンチョーが突っ込むわけにはいかない。

まずは朝イチにゴンドラ山頂駅からゲレンデの非圧雪ゾーンを滑降することになった。

結果はこうである。

パウダーの下にはすぐ固いこぶ状になっていて、とてもじゃないが初級者が滑れるものではなかった。いわんや20年振りならなおさらである。

予想はしていたが、この時点で午前中はゲレンデで練習。そして白馬乗鞍岳の山頂にはいかず、手前の天狗原からパウダーを滑ろうという計画に。

そしてその時が来た。ゴンドラ山頂駅から林道へ取り付き、シール歩行の開始である。

綾井は事前に練習していたが、もちろんテンチョーは初めて。バンカメさんに教えてもらいながら準備します。

初体験のシール歩行はとても不思議な感じ。もちろん急斜面では登れませんが、前には進むが後ろには滑らず。前にスキー板を進める単純作業…それが

楽しぃー!!

初めてだったというのもあるけど、スキーでの登りはどこか優雅な気分なんです!ヨーロッピアンな冬の遊びって感じ。外国の方たちと「コンニチワー!」なんて言っちゃったり。(英語しゃべれません…)

ちなみにバックカントリー中に行き会った他のパーティは、全て外国の方でした。滑走中もみなさん「Woooo!!!!!」とか「Yeeeehaaaaw!」とか楽しそう。南アルプスではまず見ない光景です。

本場の「ヒーハー!」は小杉さんより、きれっきれでしたよ。

さて林道を詰め山に入ってしばらくすると、見えてきました「面ツル」の斜面!BC初級者でも滑れそうな緩斜面もありました。

これには何度も白馬乗鞍に来ているスタッフ深澤もご満悦。どこか昭和の大将の風格を備えている、滑れる登れる走れるのエルクのエースである。

滑走位置まで上がるには、最後の急登を越えてからになります。

急斜面をスキーで直登するのは大変なので、ジグを切って(ジグザグに)登ります。スキーでの方向転換のいい練習にもなりました。

急登を乗っ越すと緩斜面になりました。時間も差し迫っていたのでここらで登りは切り上げます。滑降準備に入ります!

まずは深澤さんが滑って、綾井・テンチョーの順で滑ります。最後尾にバンカメさんをヘルプ要員として。そしていざ深澤さんからドロップイン!!

深澤「ヒーハー!!!

昭和の大将を外国人にかえてしまう極上のパウダーの魅惑。この味を覚えてしまうと、彼はもうこっちの世界に帰ってこないのではないでしょうか。

綾井も緩めの斜面からドロップイン!なんとか滑れましたが、パウダーの浮遊感はサイコーですね!

さて20年振りのスキーを3時間ほど滑って、BCエリアでパウダーを初体験するテンチョーはどうなるか…

こうなるのは分かっていたではないか。十数回も転び、パウダーをもがきながら起き上るの繰り返し。テンチョーにとってはパウダーは地獄の底なし沼

起き上るために必死のテンチョーの荒い息づかいと、外国のスキーヤーたちの雄叫びが交互にこだまする白馬乗鞍。

バンカメ「両足にしっかりと加重しろ」

テンチョー「っはひぃ…」

バンカメさんに起こしてもらいながら、普通に滑れば1分もかからない斜面を15分かけてなんとかクリアした。

見上げれば僕たちのシュプール。気持ち良かったなー!しばらくスキー漬けの生活になりそうです。

バンカメさんに撮っていただいたエルクの三人組写真。なんだかんだ天気にも恵まれ楽しいスキーになりました。

あとはゲレンデへ戻ってそのまま帰路につくのみ。

体力の消耗が誰よりも激しいテンチョーは車に戻ると

テンチョー「風呂なし、即帰宅。」

とつぶやき眠りに落ちてしまった。


やっとこさBCスキーをデビューできた綾井とテンチョー。テンチョーはスノーボードは上手いんですよ。今シーズンはゲレンデで練習するとのことです。

バックカントリーはこの時期は雪崩のリスクが高まります。経験者の2人の指導と判断あっての山行だったと思います。

経験を積み気持ちのよい春に山スキーをしっかりと楽しめればと思っておりまーす!


※ゲレンデのその先は、誰にも荒らされていないパウダースノーを滑降できる楽しさがあります。しかし雪崩やルートロストのリスクは一般登山に比べ高いのも事実です。今回のルートはBC初級者向けですが、必ずしも安全を保障するものではありません。アバランチギアの携行は勿論、事前に雪崩の発生リスクを調べてから安全に楽しみましょう。

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