こんにちは!
山梨百名山チャレンジ担当、店長の綾井です。
山百ブログでも触れてきましたが、わたくし綾井は関西で生まれ育ちました。
南アルプスの山々に惹かれ8年前に山梨県に移住、そしてエルクで勤める事となった経緯があります。
そんな私が移住してしばらく経った昨年、同じく登山が趣味の母を、大好きな南アルプスの北岳へ初めて連れていきました。
母も関西では体験できない高峰からの景色を喜んでくれて、2023年も南アルプスを登りたいという要望してくれました。
親孝行半分、山梨百名山チャレンジを進めたい気持ち半分で
母の要望であった南アルプス、そして僕の要望である山梨百名山のこの山へ行く事となりました。
アサヨ峰(アサヨみね)は、南アルプスの甲斐駒ヶ岳と鳳凰山とを結ぶ早川尾根上にある山で
早川尾根上では最も標高い2,799mと、マイナーな山ながら日本百高山にもランクインする高峰です。
北アルプスなどに比べ南アルプスは森林限界が高く2,500~2,600mから
アサヨ峰は森林限界を超える山になるので、頂稜から360度見渡すことができます。
また周りには南アルプス北部の主要な山々が聳(そび)えているので
前回アップした小太郎山と同じく、南アルプスの好展望地といえるでしょう。
早川尾根についても触れておきましょう。
甲斐駒ヶ岳の南にある駒津峰から、鳳凰山を結ぶ尾根を早川尾根と呼びます。
尾根上には今回紹介するアサヨ峰だけでなく、栗沢山や高嶺などのピークが連なりますが
周りの高峰に比べ知名度が少なく、距離も長い尾根になるため
すばり、人気がありません😅
その分静かな山歩きを楽しめるので、個人的には好きなルートになります。
そんな早川尾根にある唯一の山小屋「早川尾根小屋」の営業は、しばらくテント泊or素泊まりのみになっていましたが
2023年は食事提供が再開されました。
今シーズンの営業についてはまだ分かりませんが、2024年の早川尾根も、南プスラバーの間では盛り上がるのではないでしょうか。
※私のGPSログが消えてしまったので、上のログは栗沢山まで付いてきた連れのログを表示しています。
さて話をアサヨ峰登山に戻しましょう。
アサヨ峰を登る場合は北沢峠からアクセスするのが、最も楽に登る方法でしょう。
北沢峠から長衛小屋まで下り、栗沢山を経てアサヨ峰へ登るルートです。
北岳の登山口である広河原から北沢峠までの林道が、今もなお崩落の影響で通行できません。
そのため北沢峠へは長野県の伊那谷側まで回り込む必要があります。
今回の行程はアサヨ峰登山をした後に長衛小屋に泊まり
次の日には仙丈ヶ岳へ登る山行計画です。
母を連れていくのに、さすがにアサヨ峰だけは渋すぎるチョイスなので、、(笑)
仙丈ヶ岳を餌に、まずはアサヨ峰に付いて来てくれることになりました。
という訳で「アサヨ峰/仙丈ケ岳 前編」、アサヨ峰の登山レポートをどうぞ!
【登山レポ①】
北沢峠ー長衛小屋ー栗沢山
北沢峠へ行くために、伊那市の仙流荘までマイカーでやって来ました。
この日は平日、そして夏山シーズンの早朝便が増便される前日という事もあって
並ばなくてもバスの座席に着くことができました。
広河原ー北沢峠間の林道封鎖の影響で、更にこの仙流荘に集中する事になって
夏山シーズンから紅葉シーズンの週末には大混雑するようです。
平日ハイカーの僕には関係ありませんが🙄
バスに乗って約一時間、北沢峠に到着です。
すぐに林道を歩いて長衛小屋に向かいます。
なんだかんだで既に朝の9時半、長衛小屋で身支度を済ませます。
長衛小屋に泊まるので荷物も預けさせていただきました。
夏山らしく昼頃にはガスが湧き夕立が降る予報だったので、急いで出発します。
この二日間一緒に登ることとなる、わたくし綾井の母です
2022年に北岳へ連れて行って以来、母もすっかり南アルプスラバー(洗脳)。
ちなみに母からの要望は甲斐駒ヶ岳だったのですが、山百チャレンジのスケジュールの都合で
アサヨ峰、仙丈ヶ岳へ変更してもらいました🙏
橋を渡れば仙水峠と栗沢山の分岐になり、僕たちは栗沢山ルートに入っていきます。
まずはシラビソ主体の美しい森の中を栗沢山めがけて登ります。
北沢峠から仙丈ヶ岳、そして甲斐駒ヶ岳へ登る人が多く
アサヨ峰へ向かうこの森はとても静かです。
このルートは栗沢山まで急登が続きます。
早朝からの移動もあって体が重かったですが、栗沢山に出るまでは我慢のパートです。
この樹林帯のなかでも、時折北岳の姿を垣間見ることができます。
山頂稜線に出ればいくらでも見れるけど、少しでも見えたら立ち止まって写真撮っちゃいますよね~📸
針葉樹林の青々しい香りに包まれながら、この美しい森をまだまだ登ります。
息が上がるほどの急登も出てきますが、母も負けじと息子に続きます。
我が母ながら、なかなかやりますね~👏
7月中旬でも生き残っている石楠花の花、ゴゼンタチバナなど
花が足もとにちらほら見えてくれば
展望も開けてまいりました!
北沢峠を挟んで反対側に位置するのは
次の日に登る予定の仙丈ヶ岳です。
仙丈ヶ岳を見て喜んだのも束の間
つい大きな声を上げてしまいました
甲斐駒ヶ岳です!🙌
やはり距離的に近いのもあって、仙丈ヶ岳に比べ迫力が段違いでしたっ!!
白い花崗岩の岩壁で構成された威厳ある姿は、日本の中でも有数のかっこよさですよね。
僕だけかもしれませんが、姫路城(白鷺城)に似てません?
天気もまだ持ちこたえそうですね。
次は栗沢山から、甲斐駒ヶ岳の雄姿を見ようじゃありませんか。
もう少し樹林帯の急登を頑張って登り
光差す場所へ抜ければ
森林限界を突破です!
長い樹林帯を抜けてからのご褒美、これぞ南アルプスですね~👍
森林限界を越えれば栗沢山まであと僅かです。
樹林帯の歩きやすい道から、ハイマツと岩で覆われた道に変わります。
岩場の苦手な母は、へっぴり腰で登ります💪
頂上間近まで来ましたけど、展望が素晴らしいので進みませんね。
仙丈ヶ岳だけでなく、次なるアサヨ峰を見ながら
栗沢山(2,714m)に到着です!
後ろに見える甲斐駒ヶ岳の存在感すげ~(笑)
栗沢山はサントリー「南アルプス天然水」のCMの撮影地として
数年前にスポットライトを浴びた山です。
CMでは「水の山へ行ってきた」という紹介がありますが
今回のルートとは違い、沢沿いの道を行く仙水峠ルートを辿ったようです。
栗沢山単独で登られる場合は、仙水峠へ登って、今回登った尾根ルートで下山する
周回ルートがおすすめですね。
沢、苔の森、仙水峠の巨岩群、そして栗沢山からの絶景と
変化に富んだ登山を楽しむことができますよ。
【登山レポ②】
栗沢山ーアサヨ峰ー栗沢山ー長衛小屋
アサヨ峰、この珍しい山名の由来は諸説あります。
漢字で浅夜峰、朝与峰などと書かれたこともあるが、最近はアサヨ峰と書く。江戸時代に、野呂川流域に伐採に入った人たちが朝日峰と呼び、書いていた。ところが、何かの拍子に「日」の第一画が落ちて朝ヨ峰となり、アサヨ峰と書くようになったのではないだろうか。
山と渓谷オンラインより引用
大事な山名が"何かの拍子"で変わってしまうのもどうかと思いますが
結果的には他の山名と決して被ることのない、特徴のある山名になったようです。
栗沢山からは冒頭でも紹介した早川尾根に乗っているので
ここからアサヨ峰まではご褒美縦走の始まりです。
アサヨ峰までは距離にして約1km、登り基調ですがここまでの登りに比べれば楽なもの。
とはいえ標高の高さと、岩場が出てくるという事もあって、すんなり登らせてはくれないのがアサヨ峰。
母には明日の仙丈ヶ岳に備え体力の温存をしてもらうべく、ここで待機してもらう事になりました。
ダッシュで行ってくるよ~!💨
ここからは一人になるので、アサヨ峰登山のハイライト区間は写真少な目で失礼します、、
気持ちの良い稜線歩きは山頂まで続かず、アサヨ峰直下に近づけば岩場が出てきます。
鎖が付けられた急な岩場の登下降、ここがアサヨ峰の核心でしょう。
岩場慣れしている人にとっては問題ないと思いますが、岩場が苦手な方にとっては要注意です
岩場を抜ければ、この日の本丸アサヨ峰山頂がすぐそこです!
アサヨ峰(2,799m)に到着です!
母を長く待たせたくない思いで、ダッシュしましたがきつかった~💦
待たせてるとはいえ、アサヨ峰の展望を楽しまないともったいない!
一人贅沢に南アルプスの山々を望みます。
鳳凰山、そして奥に浮かぶ富士山。
手前から鳳凰山に向かって延びる尾根が早川尾根です。
カールが美しい仙丈ヶ岳。
明日行くからね~!
南アルプスの盟主、僕の推し山である北岳。
北岳への愛を綴った山百ブログはこちらから👇
そして甲斐駒ヶ岳、先ほどまでいた栗沢山を従えるこのアングルも素晴らしい👏
周囲の山々との位置関係、そして森林限界を超える標高、やはりアサヨ峰は贅沢な展望スポットでした。
アサヨ峰からの景色を独り占めして、母に少し悪い気がしなくはありませんが
一緒に登るだけが親孝行ではないですよね。
綾井家の親孝行といえば
一緒に飲むこと!お疲れ山でした~🍻
泊まらせていただいた長衛小屋はテント泊も可能ですが
プライベート空間も保たれた綺麗で温かい寝床、美味しいご飯
次の日の備えるのなら、山小屋泊で決まりです。
しっかり英気を養えて明日の登山
南アルプスの女王、仙丈ヶ岳へ挑みます!
以上「アサヨ峰/仙丈ヶ岳 前編」の登山レポートでした。
後編では、次なる山「仙丈ヶ岳」のレポートとなります。
登山口へのアクセスや登山情報などのまとめは
後編の最後にまとめておりますので、後編もぜひご覧ください!
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