【山百チャレンジ23座目 山伏】西日影沢の名ルートから登る清き水の山【山伏/八紘嶺 前編】

こんにちは、こんばんは!山梨百名山企画担当の綾井です。

今日は約半月振りの更新となってしまいました、山梨百名山チャレンジの記事です!


ブログ更新が遅れるだけでなく、登山のペースもまさかの急ブレーキとなっています。🥺


山梨百名山チャレンジ企画は毎月10座ペースで登らないと、目標にしている年内の完登が叶いませんが、7月はまだ3座しか登っていません、、

お店が忙しくなる6月~7月、それに加えて展示会やオーダー作成などアウトドアショップにとって過酷なんです😇


言い訳してもこの企画は終わらせることができませんので、一番何を言いたいのかというと

皆さん応援してください!(笑)


応援が無いわけではないけど、やっぱり皆さんの応援が一番力を出せるんですよね~💪


さて泣き言はこれくらいにして、今回の行った山はこちらの山です。


「山伏(やんぶし)」「八紘嶺(はっこうれい)」


山梨百名山でありながら、静岡県の登山口を使わなければいけない二座となります。

(※七面山からの縦走も可能ですが、一般的には静岡側から登る)。


この二座は「オクシズ(=奥静岡エリア)」と呼ばれる、静岡市の山間部エリアに位置します。


海のイメージが強い静岡ですが、山梨に接するオクシズエリアに行けば、豊かな自然が残る山間部になっていて、山梨にあるほかの山々よりも”山が深い”んです。


ほかのエリアの山のほとんどは、山頂から近くの町や人里を見下ろすことができますが、このエリアは山からは山しか見えません。


オクシズの中でも更にエリア分けをするのなら、山伏、そして八紘嶺は「安倍奥」とよばれる安倍川源流域の山々です。

白峰南嶺の最南端に位置し、2013mの山伏がその盟主として鎮座します。


白峰南嶺は本企画20座目の笹山も含まれる、南アルプスの中でも静かな山域となります。

さて山伏と八紘嶺を縦走するにあたって、黄金の湯駐車場からの周回ルートを取りました。

この場合は、道路歩きも含め約20kmのロングコースとなり、一般的には日帰りで目指すにはかなりハードな山行となります。


それぞれの山を最短で登ればこんなハードコースを登らなくても済むのですが、やっぱり縦走できるなら縦走したいのが山屋ってもんでしょ~😏

あと何度もこの地に足を運ぶのが大変だからです(笑)


それでは今回は登山口から山伏山頂まで、山伏/八紘嶺の前編をご覧ください!


【登山レポ①】
林道歩きから薄暗い西日影沢ルートを登る

黄金の湯(04:42)-山伏登山口(05:40)-大岩/ワサビ小屋(06:19)-蓬峠(06:54)

甲府から中部横断自動車道を使用して約2時間、やってきたのは静岡の梅ヶ島温泉です。


中部横断自動車道が全線開通してからはとても近くなりましたが、こんなふうに

南アルプスを大きく回り込むように行かなければならず、山梨百名山のなかでも最も行くまで距離が遠い場所となります。

高速を下りてからがなかなか遠いんですよね😓

黄金湯から安部川沿いに道路を歩いていきます。


登山口まで約4km、今日は長い行程なのでサクサク歩きます。

知らない地名に、わさび漬けの看板、サクサク歩くつもりが普段目にしないものに足が止まり、旅する気分で道路歩きの道中も楽しめました。

そして何といっても静岡といえば茶畑!🍵


静岡の方からすれば見慣れた光景でしょうが、THE静岡のこの景色は新鮮で僕にとっては立派な観光地になります。


逆に山梨の桃畑を見ても何とも思わなくなってしまいましたが(笑)

大谷崩れと山伏の分かれ道は山伏岳方向へ。


大谷崩れルートから山伏へ登頂することもできますが、今回は西日影沢ルートで登ります。

奥へ奥へ進んでいくと砂利道へ、そして河原沿いに出てきました。

長い林道歩きは積極的にトレッキングポールを使用して、体を前に運びます。

え、渡渉!?


と最初はビックリしたこの沢を越えれば、登山口は間もなくです。

ちなみに右手に簡易的なハシゴ橋が架かっていたので、問題なく渡ります。

大変お待たせいたしました、登山口に到着です!

ここで休憩をしたかったものの、南部の山はヒルが出るイメージだったので、自撮りだけしてそそくさと出発します。


ヒルについて後から調べれば、山伏では周辺の山に比べヒル被害は少ないようです。

とはいえ夏と梅雨時期は絶対に入山したくない😨

ざっくり地図すぎて、これは山伏が凄く近く感じる

西日影沢ルートは、名前の通り序盤は沢沿いを歩いていきます。


沢沿いのルートはよっぽど整備が行き届いていない限り、僕の経験上進むのに時間がかかるんですよね。

時間がかかる理由というのは、右岸から左岸へ、左岸から右岸へといったように何度も行き来をするからです。

このルートも例外なく、高巻き道から沢に下りては対岸へ渡る箇所がいくつもあります。


上の写真の場所では飛び石で渡りましたが、水量が多い日は結構怖いかも。

苔むした森を通りながらも大小多くの沢を越えていきます。


山伏には豊富な水が蓄えられていて、西日影沢の水流も安倍川に合流し大河となり、そして駿河湾に注ぎます。

しばらくすれば放棄され朽ち果てた「わさび田」跡が出てきます。

安倍奥のエリアはわさび栽培発祥の地とされ、こんな山奥でも栽培するほど最盛期は盛んだったのでしょうか。


豊富な清流あってのわさび栽培、山伏の水の豊かさの証左といえるのでないでしょうか。

わさび田跡を抜けても、沢の渡渉がまだ続きます。

以前はもっと立派な橋が架かっていたようですが、こちらも簡単な梯子橋が架けられています。

続いて現れたのは大岩、名前の通り大きな岩です。

岩の横というか岩陰に小屋があり、わさび小屋という避難小屋があります。

大岩からも沢沿いを歩きまた対岸へ渡る、この連続でやはり歩くペースが上がりませんが、それがまた冒険的な登山で飽きさせません。


山頂まで人と会わない深山のなかでひとり、歩き詰める事は性に合います。

ワクワクするんですよね😆

そして西日影沢を外れ進路を変えれば、なかなかハードな急登が待ち受けます。


ここから次の目標地点、蓮峠までの急登の始まりです。

涸れ沢を詰めたり、崩壊地のトラバースを進んだり、西日影沢から外れても変化に富んで飽きさせません。


事前情報は無く八紘嶺と周回登山をするために選んだこのルートですが、大当たりです◎

蓮峠に到着です。


ヒルにびびって進み続けたので、ここで本山行初の休憩を取ることにしました。

まだ標高の高い稜線上は雲の中。


展望の山でもある山伏ですから、せっかくなら晴れて欲しい。そう願いながらおにぎりを頬張りお腹を満たして、次なる登りに備えました。


【登山レポ②】
ガスを抜け南ア南部の展望地へ

蓬峠(06:59)-西日影沢分岐(07:57)-山伏(08:10)

蓮峠からは分かりやすい尾根道へと変わります。

標高を上げるにつれて、やはり濃いガスに巻かれるようになってきました。

ツツジの密度が濃い事でも知られる安倍奥の山、ようやくミツバツツジを見るようになってきました。


今回の登山は山伏から八紘嶺にかけての稜線で、ツツジ科のシロヤシオの花を見ることが大きな目的です。

1770m地点のベンチを越えれば、山頂まではもうひと踏ん張りです!


次第に空が明るくなってきました、これはまさかの大逆転あるか!?

斜度がゆるくなれば、山頂はもうすぐです。


分岐を百畳峠方向に行けば、こちらにも避難小屋があるとの事。

お?

お~!!


明るいなと思ったら青空が広がっていました~👏

展望はダメかと思ったけど、これは期待できます!

ん?

お~!富士山!😆🗻


そういえば山伏から直線距離では近いんですよね、見れるとは思っていなかったのでびっくりしました。


暗い沢沿いの登山道から、ガスに巻かれながら登ってきたもんだから、いい意味で予想を裏切られましたね~。

山伏(2,014m)山頂に到着です!


自分で言うのもあれですが、いつもの営業スマイルよりも今回は自然に出た100%スマイルです(笑)


まだ登山は終わってないけど、いいコースを登り思わぬ天気の好転もあったら、この笑顔になるでしょう~😆


山頂から更に先に進めば

南アルプス南部の主稜線を見ることができます。

このエリアの土地勘が全くないため、雪が付いている山々は赤石岳や荒川岳になるのかなと推測するも、やっぱりよく分かりません。

こちらは白峰南嶺の稜線方向になるので、多分笊ヶ岳かな。


いや~ほんと普段見ない角度だと自信ないです😅

山座同定は詳しい人にお任せして、この見慣れない山岳風景を目に焼き付けましょう。

山頂まで誰一人会う事は無く、登山道も山頂の景色も独り占めは贅沢じゃありませんか。


山深い場所で訪れる人も少ない安倍奥や南アルプス深南部の山は、やっぱり好きだな~


昔の山行ですが深南部の山を登った記事があるので、興味のある方はご覧ください👇

さてここからが八紘嶺への縦走登山の始まりですが、山伏山頂までで結構なボリュームとなったので、ここでいったん終わりにさせていただきます。🙏


後編では目当てのシロヤシオの花、そして20km以上の行程を無事に歩きとおすことができるか、お楽しみに更新をお待ちください。

立ち寄りスポットや登山情報については後編でまとめます。


後編はこちらから👇