昨年の2020年はコロナウイルスの影響により、南アルプスの「北岳」の登山口である広河原への入山が禁止されました。
それだけでなく南アルプス南部の山(荒川岳・赤石岳・聖岳等)への入山も禁止され、昨年登れた南アルプスの山といえば「鳳凰三山」と「甲斐駒ヶ岳」。
しかも甲斐駒ヶ岳はロングコースとなる黒戸尾根のみで、多くの方は入山をあきらめたのではないでしょうか。
今年も依然としてコロナウイルス感染症の脅威がゼロになったわけではなく、南アルプス山域の山小屋の営業方式は2年前と比べ大きく変わっています。
特に2年ぶりの入山が可能になる北岳エリアは要チェックです。
同じエリアでも各山小屋によって感染予防対策や予約方法が異なります。
ここでは北岳エリアの山小屋の営業開始日や予約方法、泊まる際の注意点など、特に気になる変更点をこちらでまとめます。
今年入山される方は是非ご参考にしてください!
※この記事は2021年6/21日現在の情報です。
※南アルプス南部山域の山小屋は、2021年度も休業を決めています。それに伴い畑薙第一ダム~椹島の宿泊者用送迎バスの運行も休止です。昨年とは違い避難小屋の開放や、テント指定地の利用は可能とのこと。
北岳 白峰三山エリア
日本第二位の高峰「北岳 3193m」、北岳に連なる日本第三位の高峰「間ノ岳 3190m」、そして「農鳥岳 3026m」を合わせた山を総称して白峰三山と呼びます。
それぞれの山はその一座だけでも迫力ある山容と、高山植物のお花畑をもち、とても人気の高い山域といえるでしょう。
登山口へのアクセス
登山口の広河原へはマイカー規制のため、自家用車で乗り入れができません。
広河原までのバスやタクシーの運行は6月25日(金)を予定しています。
登山される方は運航開始日以降に入山するのが現実的ですが、夜叉神峠駐車場のゲートから歩いていくことも可能です。※自転車の乗り入れ禁止
【車でお越しの方は】
市営芦安駐車場にて車をとめて、路線バスもしくは乗合タクシーを利用。
【公共交通機関でお越しの方は】
甲府駅もしくは竜王駅から「広河原行き」の路線バスを利用。
↓路線バスの運賃や時刻表などについてはこちらをご覧ください↓
広河原-白根御池小屋-草すべり-小太郎尾根-北岳肩の小屋-北岳山頂
小太郎尾根分岐手前までは樹林帯の中のコースとなり、危険個所はほとんどありません。
山頂までは登山口を除く2つの山小屋を経由するので、最も安心感のあるコースです。
大樺沢右俣コース
広河原-大樺沢二俣-小太郎尾根-北岳肩の小屋-北岳山頂
大樺沢二俣までは沢沿いの登山道となるため、見晴らしも良く風抜けがいい登山道です。
開山してすぐの早い季節では、残雪が残る道となります。
大樺沢左俣コース
広河原-大樺沢二俣-八本歯のコル-北岳山頂
大樺沢二俣からは右俣コースよりも遅くまで残雪が残るコース。北岳バットレスの大岩壁を横目に登れて、人気の高いルートです。
北岳山荘へはトラバース道を使えば最短のコースとなりますが、例年7月まではアイゼンが必要なルートです。
山小屋情報
白根御池小屋・北岳山荘・広河原山荘
※3つの山小屋は南アルプス市の山小屋で基本的な運営方針も一緒なので、あわせて紹介します。
チェックポイント
・6/15から営業開始
・定員の削減
・宿泊・テント泊ともに、ネットによる予約システムを導入した予約制
・寝袋(シュラフ)が必携装備に
【予約方法】
南アルプス山岳観光予約システム 南ぷすリザーブ でのネット予約が今年から可能に
今年から運用されるインターネットでの予約受付が可能になり、電話せずとも空室状況が分かるようになりました。
そして定員が削減されたことによって、既に予約が埋まっている日にちが多くあります。
とにかく早めに予定を立てて、予約サイトをチェックする必要がありますね。
今年からはテント泊も予約制となっているので、ここも気を付けなければなりませんね。
予約された方はお知らせされているでしょうが、小屋泊の方も寝袋(シュラフ)を持っていく必要があります。
3つの山小屋では寝具はマットのみの貸し出しとなっているので、インナーシーツだけでは泊まることはできません。
北岳肩の小屋
-最も山頂に近い標高約3000mの稜線上に位置する絶景の山小屋
チェックポイント
・6/25から営業開始
・定員の削減
・電話予約のみ、予約状況はホームページで確認可能
・枕元用タオル2枚、インナーシーツは必要
北岳肩の小屋も定員を大幅に縮小して営業をする予定となっています。
小屋のホームページをみると、コロナ対策及び改装工事が進行中ということで
シーズンの途中から定員が増える可能性もあるようです。
肩の小屋ではテント泊の予約は不要となっていますが、混雑状況によっては規制が入るかもしれません。
海の日の連休など、ハイシーズンにテント泊で訪れる方は、早出早着を心掛けたほうがいいでしょう。
肩の小屋では寝具は寝袋を用意しているので、寝袋に入れるインナーシーツと枕元用タオルを持っていく必要があります。
農鳥小屋
ー間ノ岳と西農鳥岳の鞍部にある稜線上の山小屋
上写真:『山」がまんなか 農鳥小屋と農鳥岳 の記事から引用。こちらはよく農鳥小屋とおやじさんについて詳しく紹介されていて、農鳥愛溢れる素晴らしい記事です。
チェックポイント
・7月1日から営業開始
・電話での予約
・インナーシュラフもしくはシュラフ持参を推奨
「農鳥おやじ」という愛称で親しまれる小屋のご主人深沢さんがいる山小屋。
ご主人に注目が集まりがちですが、農鳥岳と間ノ岳に挟まれた立地で、なかなかここのロケーションは格別です。
農鳥小屋はホームページなどはございませんので、小屋に電話して確かめたところ
090-7826-5663
の電話番号に電話してくださいとのことでした。
今年は電波状況が悪く、繋がりにくいかもしれないとも仰っていました。
小屋には寝具の用意がありますが、インナーシュラフを持ってきてほしいという事です。
小屋にも用意があるそうですが、極力持っていくようにしましょう。
テントは例年通り予約なしでご利用いただけます。※要受付
大門沢小屋
ー早川町奈良田から農鳥岳へ至る大門沢登山道にある山小屋。
チェックポイント
・7月1日から営業開始
・定員の削減、完全予約制へ
・予約は大門沢小屋ホームページの予約フォームから
・インナーシュラフ(シーツ)は必要
農鳥岳への登山口である奈良田から最も近くに位置するのが大門沢小屋になります。
白根三山を縦走する場合このルートを使われる方が多く、稜線上の農鳥小屋か大門沢小屋を利用するのが現実的です。
大門沢小屋も宿泊は完全予約制となっていますが、テント泊はこれまで通り予約不要となっています。
宿泊の方はインナーシュラフ(シーツ)を忘れずに。
キタダケソウについて
開通早々に北岳へ入山される方の多くは、北岳にしか咲かない固有種「キタダケソウ」を見に行かれる方が多いのではないでしょうか。
ここ10年は特に雪が多い年以外は、6月中旬に見頃を迎えてしまいます。
今年も例にもれず6月10日前後には満開状態であったようなので、キタダケソウを見に行く場合は7月頭までに行かれたほうがいいでしょう。
北岳エリアの山小屋情報を主に今回はまとめてみました。
やはり注意すべきは予約を忘れないことと、必携品の確認でしょう。
上左)シュラフライナー(インナーシーツ)、上右)夏向け山岳向けシュラフ
インナーシーツはお手入れも楽で、シュラフに比べ携帯性に優れます。
他の山小屋では必携でなくても、インナーシーツ持参を推奨している山小屋も多いですね。
こういった状況もあり今シーズンは数多くのインナーシーツをご用意しています。
山小屋で寝具と合わせて使う場合は、顔回りもカバーできるマミー型をお選びください。
↓山小屋で使うインナーシーツおすすめ↓
今季のエルクツアーでも北岳、間ノ岳のツアーは合わせて三本計画しております!
レベルに合わせてお選びいただけますので、ツアーの参加もぜひよろしくお願いします!
↓エルクツアーについてはこちら↓
北岳エリアと同じく、昨年山開きができなった富士山も7月1日から富士吉田ルートが開通となります。
まだまだ油断できない社会情勢となりますので、山小屋を利用される方は常に最新の情報をチェックして登山されるようお願いします!
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