【LaSportiva】超軽快!スポルティバから走れるトレッキングシューズが新登場【ウルトララプターⅡ MID GTX】

前回の「X ULTRA 4 GTX」に引き続き、今回も春から履いて山に行きたくなる

軽量なトレッキングシューズの紹介をさせていただきます!

今季はこのカテゴリーに気合が入っているので、今回もスタッフ自腹購入したシューズを

ちゃんと使ってその感想や解説をさせていただきます。

↓前回のXウルトラ4の記事はこちらから↓

二回目となる今回は選んだメーカーは、登山業界では言わずと知れたイタリアの登山靴メーカー「La Sportiva ラ・スポルティバ」。

トランゴシリーズのようなハードな登山に適した、アルパインシューズの名作を多くリリースしています。

創業以来イタリア生産を貫き続け、そこから革新的な靴を世に送り出し、世界中のファンから揺るぎない信頼を得ています。


最近は軽量なアプローチシューズに力を入れているなあ~という印象。

昨年もこちらで紹介しエルクでも人気の高い「TX5」は、アプローチシューズと登山靴のいいとこどりのようなシューズです。

※アプローチシューズとは、元々はクライマーが岩場へ行く際に使用するシューズ。軽量かつ岩に対するグリップ力が高いのが特徴で、登山靴とクライミングシューズの中間的な靴。


そして今季の新作は今の一般的な登山者のニーズを押さえてきた、軽量なハイキングシューズが登場です!


ウルトララプターⅡ MID GTX

トレイルランニングシューズである「ウルトララプター」を、登山・トレッキングに使いやすいようアップデートさせたトレッキングシューズ。

ウルトララプターはスポルティバのトレイルランニングシューズの中でも、クッション性とプロテクション性能を重視したロングディスタンスモデルです。

そんなウルトララプターはエルク社長もお気に入りで、ソールがすり減った今でもたまに使用しているくらいです。

スポルティバのロングディスタンスモデルは、アカシャなどが人気ではありますが

ウルトララプターが今でも現行モデルとしてあるのも、根強いファンが多いという事でしょう。


話は今回の新作シューズに戻って、まずは重量から見ていきましょう。

重量は実測で片足430g(メンズサイズ,EU42)。

ミッドカットのハイキングシューズでは、400gを切る重量のものがある中で

とりわけ軽量性に特化しているわけではありません。


軽量化を追い求めると、保護力やクッション性などが犠牲になりがち。

結局ペラペラで超軽量のトレッキングシューズよりも、軽さとプロテクションのバランスが取れた靴が人気だし、実際に買いに来られる方が多いです。

軽さよりもバランスの良さ、ウルトララプターⅡMID GTXはそこに注目していただきたいですし、その機能について解説いたします!


グリップ力に関してはスポルティバオリジナルのソールの中でも

特に粘性の高く岩場でも高いフリクション性能をもつ「FriXion White」を採用。


上の写真のように、岩場でもしっかりと面で接地させれば

グリップが効いて滑りにくいようなソールとなっています。

一般的な登山道とはいえ、日本の山岳エリアは土や泥の道だけでなく岩場も多く

高いグリップ性能が求められる登山道が多いと思います。

そういう意味では同じく急峻で岩場の多いヨーロッパアルプスの麓でつくられる

スポルティバのシューズは、トレッキングシューズとはいえ岩場への対応も申し分ないといったところでしょうか。


アウトソールのパターンも特徴的です。縦の突起が左右対称にいくつも配置されています。

このパターンで岩場に適したものや、柔らかい泥の道に適したものなど、アウトソールの素材と合わせてシューズの個性が決まってくるのですが

ウルトララプターは岩場、草地、泥などさまざまな路面に対応するオールラウンドソールとなっています。

またこのスパイクのような突起によって生まれるのが、クッション性

着地の際にこの突起が接地面に対して倒れこみ、一定以上倒れると周囲のバンパー部に当たって制動が効く仕組みになっています。

これはトレイルランニングモデルも同様で、最もクッション性の高いソールパターンとなっており

この点もウルトララプターを好まれて使われる方が多い理由の一つでしょう。


次は皆さん気になるフィット感や足入れ感について。

つま先は少し余裕を感じられるフィット感。

窮屈さを感じず楽に歩くことができました。

スポルティバの中では広めの設定になっていると思いますが、他のメーカーと比べれば中間的な幅の広さでしょうか。

横や甲のフィット感については、幅広の僕の足では十分フィットして押さえてくれそうです。(実測:26.0cm、サイズ:EU43)


軽く走ってみても、トレイルシューズに比べ剛性が高いので、すごく走りやすいという訳ではありませんが

一般的な登山靴に比べ軽快な足運びができました。

感動したのは足首周りにぴったりフィットするラバー素材

異物の侵入を防ぎながら、柔らかい素材なので足首の動きを阻害することはありません。

逆に言えば登山靴ほどの固定力がないという事ですが、歩きも駆け足もステップさえも

普段の靴同様にできることがこの靴のいいところですね。



プロテクション(保護力)について。

足の保護はもちろんですが、靴の耐久性に関しても大事になってくるのがアッパー素材

高耐久のメッシュ素材をベースに、特徴的なのが独特のテカリ感のあるラウンドソールでしょう。

靴の周囲をぐるっと囲んでいる柔らかい素材ですが、本体のメッシュ素材に比べさらに耐久性が高い素材となっています。

トゥーガードももちろん装備。木の根が続く道や岩場などでもガシガシ使えそうです。

またかかと部分には周辺を取り巻くように貼られた、樹脂素材の補強部材が使われています。

このおかげでかかとのブレを抑制して、安定感のある歩きをサポートしてくれています。

ざっと機能や特徴を説明してきましたが

個人的に使ってみてお気に入りのポイントを挙げるとしたら

足首の自由度衝撃吸収性ですね。

足首のブレを押さえつつも、動きを制限される感覚がなく

軽快に動きたいファストパッキング山行のメインシューズとして使っていこうと思います。


使用用途としては先日紹介したXウルトラ4と変わらないといっても差し支えないでしょう。

はじめてのトレッキングシューズとしてや、中低山向けの軽量シューズ、

そしてファストパッキングなど山を軽快に歩きたいときのシューズとして

存分に性能を発揮してくれるトレッキングシューズです。


しかしプロダクトづくりのプロセスや環境的違い、ブランドのルーツなどから

独自の機能や個性が生まれてくるものです。

その個性と自らの山行スタイルと当てはめて靴選びをしていただいたら

きっと靴選びも間違いにくいし、シューズの機能を発揮しやすいでしょう。


今回は軽量なトレッキングシューズにスポットを当てて紹介する第二弾でした。

次回もお楽しみに!