【山百チャレンジ40座目 横尾山】まばゆい夏空に輝くカヤトの原と草いきれ

こんにちは!

山梨百名山チャレンジ担当、店長の綾井です。  


山梨では3月中旬にもなって雪が降り、甲府盆地から白く化粧された

山々の姿がまた復活してきましたね。

そんな中ではありますが、ギラギラした太陽の日差し、青空に沸き立つ入道雲

吹き抜ける風が気持ちのいい、爽やかな夏の登山のレポートをお送りします!

横尾山(よこおやま)は、北杜市と長野県川上村の県境にある標高1,818mの山です。

奥秩父山塊の西端部に位置し、ハイキングの対象として人気の

飯盛山(めしもりやま)にも近く、稜線が繋がっています。


奥秩父山塊ではありますが、登山口である信州峠を挟んで西側に位置する横尾山は

個人的な印象ではありますが、どこか八ヶ岳山麓の山の雰囲気が漂います。

山野草や苔の美しい森を抜けて稜線に出れば、カヤトの草原が広がり景色が広がります。

この稜線まで1時間ほど、そこまで労せずとも辿り着けます。


草原に眺望、こういったまさに高原の山というのは緯度の問題なのか

長野県側に多い気がして、山梨県民としてとても羨ましいです(笑)


そんな爽やかな山の横尾山にぴったりの、夏空広がる8月初旬に行ってきました。

それでは登山レポート本編をご覧ください!


【登山レポ】

信州峠ーカヤトの原ー横尾山ー信州峠

 やってまいりました、信州峠


信州峠は山梨県と長野県のちょうど県境にあり、JR小海線が開通する以前の、信州と甲州を結ぶ重要な交易路として使われていたそうです。

私自身も信州峠手前の瑞牆山エリアまではよく来るのですが、この場所まで来るのは私自身初めて。

この信州峠から始まり山頂までコースタイムは約2時間40分。

標高差も約350mほどと、お手軽ハイキングコースとなっています。


せっかくここまで来てサクッと登って下りれるだから、下りたら小川山へ転戦するつもりでした。

しかし先に言いますが、一座登ってこの日は終了となりました。


一度下山してしまうとプツっとスイッチが切れてしまうんですよね、、

そのせいで11~12月の山行計画が恐ろしい事になりましたが(笑)

さて信州峠の道路脇の階段から、登山がスタートです。


平日という事もありますが、私以外の他のパーティは会う事の無い登山となりました。

アクセスの悪さと知名度の無さで、良い山の割にはあまり人気が無いのでしょうか。

階段を上がると、最初はなだらかな登山道から始まります。

今日のお供は、エルクでバイトもしてもらった事が有るK君。


横尾山はこんな爽やかBOYに、ぴったりの山をチョイスしたよ!


しばらくは手入れのされていないカラマツ林にミズナラなどの自然林が交ざる、感じのいい森の中をなだらかに登ります。

奥秩父山塊の中でも、森が明るい印象なんですよね。

奥秩父と八ヶ岳の雰囲気をミックスした感じ。


6月であれば横尾山ではレンゲツツジの群生も見ることができます。

甘利山でこれでもかというくらい見ることができたので、良しとしておきましょう。

なだらかな道も軽快に歩いているとすぐに終わりを迎え

ここから少し急な登山道へと変わります。

樹間から見えている山に向かって上がっていくようです!

急な登りの区間は少しなんで、ここだけ我慢の登りです。

登っていくとだんだんと前方が明るく開けてきて、その時が近いのを知らせます。

カヤトの原に到着です!

カヤトという言葉は杓子山などでも出てきますが、改めて定義を確認しておきましょう。

ススキやスゲなど一部のイネ科の植物を総称してカヤと呼び、山中でカヤが広範囲に茂る場所を「カヤト」と呼ぶ。


大きな樹木が無くカヤが広がる場所なので、ここからの展望も素晴らしいです。

富士山はもちろんのこと

茅ヶ岳金ヶ岳,、そして同じく山梨百名山の曲岳までよく見えます。

奥秩父山塊主脈方面に目をやれば、瑞牆山の岩峰群がよく見えます。

残念ながら金峰山には雲がかかっていますが、ここから山頂にある五丈岩もよく見えますよ。


この距離、角度の瑞牆山は新鮮だな~

横尾山は決して派手な山じゃないけど、開放感のあるこの場所からの絶景鑑賞は

高山と比べても遜色のない素晴らしいものを持っている山です。

カヤトの原からコースタイムにして約30分、山頂を目指して再び歩きはじめます!

意気揚々と動き出したものの、まさかのカヤ漕ぎから稜線歩きがスタートです、、

朝露でびちょびちょになるので、スパッツ(ゲイター)があるといいですよ。

カヤト漕ぎが終われば、再び樹林帯の稜線を歩いていきます。


展望は少なく、登山道上には大きな岩が点在する区間になりますが

アップダウンも少なく快適に歩くことができます。

そしてまた開けた草原ありと、カヤトの原からは見晴らし&樹林が連続する稜線歩きが続きます。


横尾山の名前は「山頂は東西に長く伸びている」ことに由来しているという事ですが

歩いてみればその意味がよく分かります。

樹林帯といえども光が差せば森が美しく光り輝き、幻想的な風景を見せてくれます。

夏といえども稜線は風も抜けて、本当に気持ちのいい稜線歩きを楽しむことができます。

また樹林帯へもぐりこみ、しばらく歩いていると

ようやくお目当ての標識がある場所に出てきました。

横尾山(1,818m)山頂に到着です!


カヤ漕ぎのおかげでカメラに水滴がついてますね、、

見難くて申し訳ないです!

ちなみにK君のシューズもパンツもびしょびしょになっちゃいました

ゆっくり歩くならゲイター&防止シューズの組み合わせがおすすめです(笑)

展望はカヤトの原の方が全然良いですが、山頂は八ヶ岳や南アルプス方面にだけ開けています。

夏の高い山は雲がかかるのが早いので、この日の山頂からの眺望はいまいちでしたね。


山頂で大休止と考えていましたが、すぐにカヤトの原に戻ってあの空と景色に再び飛び込みましょう!

びしょびしょの足もととは裏腹に、蒸すような草いきれが不思議と心地よく

暑くてもこの盛夏に来てよかったと思いました。


前途洋洋な若者のまばゆい未来と、横尾山で見る眩しく青い夏空

この二つが重なり合うような素晴らしい景色を今も忘れません。

K君、また山梨に戻ったら山に行こうね~


横尾山 登山まとめ 

【横尾山 標準コースタイム(目安) 約2時間40分】  

信州峠ー1:00ーカヤトの原ー0:30ー横尾山ー1:10ー信州峠


【アクセス(信州峠)】 

・車

中央道須玉ICから約1時間。

信州峠付近に普通車約10台の駐車スペースあり。


・電車

JR韮崎駅から山交タウンコーチバス「増富温泉郷」行き「塩川」下車、北杜市民バス・瑞牆山荘行き「黒森上」下車、徒歩1時間40分


【アドバイス】

登山口、山頂までトイレは無いため、補給とトイレは事前に済ませておくように。


登山道上では危険個所は無く、コースタイムも約2時間半と短いため

初心者の方にも挑戦していただきたい山。

6月中旬~下旬にはレンゲツツジやアヤメなどの山野草が咲くシーズンとなるので

梅雨時期ではあるが晴れ間があればこの時期に狙いたい。


登山レポートでも記述しているが、カヤトの原では朝露で足もとが濡れやすい。

朝に登られる場合はゲイター(スパッツ)などの濡れ対策アイテムを持っていくのが望ましい。