【山百チャレンジ9座目 貫ヶ岳】山と海を見渡せる展望の連続!!南部町の次なる山へ【高ドッキョウ/貫ヶ岳 後編】

高ドッキョウを登り続いて向かった「貫ヶ岳」。引き続き山百チャレンジ担当の綾井がお送りします!

ヤマビルの出没シーズン前であるこの時期までには、登っておきたい南部町の山々を、この日は2座連続で登ります。

後回しにしておくとこの企画の最終版といえる11月~12月にかけて、南部・道志の山ばかりになるのはどうしても避けたかったので(笑)


前編の高ドッキョウ登山レポートはこちら👇


貫ヶ岳は高ドッキョウと同じく、山梨県最南の南部町の山になります。

高ドッキョウに比べ北東側に位置し、南部町の万沢という地区からも登る(中沢登山口)ことができます。

貫ヶ岳の標高は897mと高ドッキョウに比べ低い山になんですよね。

樽峠の標高がすでに700mを越えているので、地図をチラッと見る限り距離はあるものの大したことないかなと二座目に回しました。

下山も同ルートを下り、高ドッキョウの登山口でもある樽峠登山口へ下山します。


【登山レポ】いざ二座目、貫ヶ岳を登る

さて高ドッキョウを登り終えた僕たちは、再び樽峠に下りてきました。

まずは平治の段という、貫ヶ岳へ向かうのに大きく北へ進路を変えるスポットへ向かいます。

高ドッキョウの登山後で軽い疲労感はあるものの、ヤマビルの心配もなく爽やかな登山道を歩くことができるので、まだ足取りは軽いですよ~。

しばらく歩くと突如階段が現れます。

看板にあるように、ここからが登山道の本番といった感じでしょうか。

この階段がなかなか終わりません…階段は急登を歩きやすくするものですが、そういえば登山者で会談が好きっていう人は聞いたことがありませんよね。

競う事の無いマイペースが大前提の登山において、こうもカチッと歩幅を決められるのが皆さんの性に合わないのでしょうか。

本当は登りやすくしてくれるありがたい存在です!

階段終わったと思っても、残念その先には朽ちかけて登りにくい階段が続きます。

軽い疲労感が、重い疲労感へと変わっていきます(笑)

階段地獄が終われば、斜度も緩やかになっていきます。

膝痛持ちの僕は、緩やかな登りが一番好き。

平治の段の分岐点へ到着。

ここからが針路を北へ変え、貫ヶ岳へ向けた稜線歩きが始まります。

その前にすぐ近くの平治の段展望台へ少し寄り道します。

平治の段へは少し登りますが、ものの3分もかかりません。

せっかくなので見ていきましょう!

平治の段に到着です。ここは標高にして約940mと、すでに貫ヶ岳の標高を越えています。

富士山方面の視界が開けていますが、今後出てくる展望スポットの方がより広く見ることができるので、とにかく先を急ぎたい方はスルーでもいいでしょう。

平治の段という名前もネットで調べてみましたが、いまいち由来がはっきりしない名前です。

平家にまつわる歴史があるのか、山頂稜線が横長に伸びる山容を段と表すのか、その真偽は謎のままです。

そんなもやもやを解決できないので、余計にこの場所に寄らなくてもいいのではと思ってきました(笑)

また分岐に戻って貫ヶ岳へ向かいます。

展望台の表示が二個もありますね、楽しみです!

分岐からすぐ、開けたスカイラインが見えればそこが

十国展望台です。日本の旧国名で10国も見ることができる展望の場所という事でしょう。

甲斐、駿河、相模、伊豆、とう展望台です。日本の旧国名で10国も見ることができる展望の場所という事でしょう。

甲斐、駿河、相模、伊豆、遠江、他はさすがに見えない気が…

十国峠からは富士山はもちろん、同じ山梨百名山の「白鳥山」がよく見えました。

白鳥山はすぐに登頂することができるので、この日に寄ってもいいのですが、それではあまりに淡白という事で次回に持ち越しです。

十国峠を後にし、距離にしてはまだまだこれからの尾根道を進みます。

高ドッキョウから見えた貫ヶ岳の稜線は、ほぼ平らに見えていましたが、やはりそう簡単には行きませんね。

ここからは細かなアップダウンが続きます。

続いての展望ポイント、晴海展望台に到着です!

平治の段、十国峠と展望スポット続きですが、ここからが一番広い角度でパノラマを見ることができますよ。

左際まで目をやれば、今日の最終目的地の貫ヶ岳を捉え

さすが山梨最南端の地、駿河湾とその奥が箱根の山々でしょうか。

この春霞さえなければよく見えると思います。

そしてドドーっんと富士山がよく見えます。

それにしても山梨百名山から富士山が見えない山というのはあるのだろうか…天気さえよければ必ず顔を出す、さすがの突出度です。

貫ヶ岳山頂では展望が望めないので、休憩もかねてここでゆっくり見ていきましょう。


高ドッキョウと打って変わって、長い尾根歩きに飽きてきたかも…貫ヶ岳、高ドッキョウと二座連続で登る人は多いと思いますが、どちらの山にせよ一座目のほうがいい印象が残ると思いますね。

中沢登山口分岐に到着。

ここから貫ヶ岳はもうひと踏ん張りです!

最後の急登を登り切れば…

貫ヶ岳(897m)に登頂です!

ヤマビルに怯え入山した南部の山ですが、結果快晴の二座登頂となりました。

まだまだ序盤の山百チャレンジではありますが、最初の課題を終えて正直ほっとしています。

今日の同行者に作ってもらったホットサンドが美味しくて美味しくて。

パパっと登るピークハントだけでなく、山飯もこれから楽しみの一つとして取り入れてもいいと思いましたね。


ここからはまた同じ道を辿って樽峠に戻り、登山口まで向かいます!

貫ヶ岳までアップダウンがあったということは、戻るのもアップダウンがあるという事で…

二座連続のこの行程は延べ15km、累積で1,275 mの登りがあるので、二座登頂を目指す人は、ある程度体力が必要になってきますよ。

そしてこの日の登り始めから約7時間、無事に登山口に帰ってきました!

ゲイターの中のヒルチェックも、無事問題ございませんでした。

高ドッキョウ、貫ヶ岳ともに予想を超える充実っぷりで、大満足の山行となった一日でした。

貫ヶ岳は平治の段に十国展望台、晴海展望台と連続で尾根上に絶景スポットが出てくるので、山頂の展望が無いのでこのルートはおすすめです!

そして海までしっかりと見ることができるのは、山梨県最南端の山の魅力でしょう。


南部町は他にも篠井山白鳥山(ここは登山として楽しめるか心配ですが)もあり、まだまだ知らない山の知らない魅力を見てみたいと思わされましたね。


そして下山後も感動したスポットがあり、南部町にまた訪れたいと思う気持ちが強くなりました。

そんな立ち寄りスポットの紹介と、高ドッキョウ・貫ヶ岳の登山情報まとめを、最後に記載しましたので、ご参考にしていただければと思います!


高ドッキョウ・貫ヶ岳立ち寄りスポット

立ち寄りスポットの定番は「ご飯」と「風呂」でしょう。

しっかりと歩いた一日となったので、お風呂スポットへまずは立ち寄りましたが、いやはやいい日帰り温泉施設が南部町にはありましたよ。


森のなかの温泉 なんぶの湯

「温泉x本格グルメx読書 1日遊べるくつろぎ空間。」という文言があり、まさかこんな山間部にと行ってみたら、そのキャッチフレーズ通りの温泉施設だったんです。

施設に入ると、大量の漫画と雑誌、コアなアート本まで幅広いジャンルの本が写真では収まり切らない量で置かれています。

そこにハンモック、クッションも配置され、ここは都内の高級スパリゾートかと思わせるほど。

それでいて館内は統一された可愛く少しユルいデザインで、20代女子にも人気が出そうな雰囲気でした。

とはいえ平日の3時頃だったので、地元のおじいちゃんおばあちゃんが大半でしたが(笑)


今回は寄らなかったですが、カフェも美味しそうなラインナップが並び、あんな感動したホットサンドも食べなきゃよかったと後悔したくらい。(おい)

更に温泉も広くてきれいで、サウナも打たせ湯も露天風呂もありの充実っぷり。

都心にあれば確実に超人気温泉施設になるのは間違いないです!


本当におすすめなので、南部町の山に登った際はぜひお立ち寄りください~


高ドッキョウ・貫ヶ岳 山情報まとめ

【今回の山行記録】

山行時間:07:10 距離:15.0 km

登り:1,275 m 下り:1,275 m


【標準コースタイム(高ドッキョウ・貫ヶ岳2座連続) 8時間20分】

※休憩含まない参考コースタイムです

・樽峠登山口~高ドッキョウ~樽峠 3時間45分

樽峠登山口ー0:40ー樽峠ー1:00ー清水方面展望所ー0:40ー高ドッキョウー0:35ー清水方面展望所ー0:50ー樽峠


・樽峠~貫ヶ岳~樽峠~樽峠登山口 4時間35分

樽峠ー0:55ー十国展望台ー0:25ー晴海展望台ー0:40ー貫ヶ岳ー0:45ー晴海展望台ー0:30ー十国展望台ー0:40ー樽峠ー0:40ー樽峠登山口


【アクセス(樽峠登山口)】

・車

中部横断自動車道「富沢IC」より静岡方面へ進み、「南部町役場入口」の交差点を右折し県道801号へ。県道802号との分かれ道で左折(砂利道に入る)し801号のダート道を進む。突き当りのゲートから樽峠登山口方面に上り、10台ほどの駐車スペース有。

・公共交通機関

JR身延線「井出駅」が最寄り駅だが、そこからはタクシー利用しかアクセスできない。

タクシーもゲートまで侵入してくれるかは要確認。

※グーグルマップでは樽峠登山口の表記は無いため、県道801号の道路表記がされる場所まで進んでいく。


【アドバイス】

登山口と登山道上にはトイレ、給水スポットは無いので注意したい。

二座ともに気温が上がる春から少しずつヤマビルが出始めるため、晩秋~早春の時期を狙いたい。夏や雨上がりで湿気の多い日に山に入る場合は、ゲイターやヒル除けスプレーなどの、ヒル対策は絶対条件である。

本レポートと同様に二座連続登頂をする場合は、水や食料を多めに持っていきたい。

標高が低いので、気温が高く無風の日は暑くなりやすい。


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活用方法はジオグラフィカなどで活用していただけます。


続いての山行記録はこちら👇