【甲斐駒ケ岳 2/27.28】黒戸尾根雪山登山

スタッフ綾井です!

2月末に甲斐駒ケ岳を黒戸尾根から登ってまいりました。毎年一回はこの時期にテントを背負って甲斐駒へ行くのですが、数日前にぎっくり腰を発症…重荷は不安ということと、オーナーの花谷さんをはじめ、いつもエルクでもお世話になっている七丈小屋を見てみたい!ということで小屋で素泊まりの一泊二日の山行となりました。

登山口は尾白川渓谷の竹宇駒ヶ岳神社からスタート。安全登山を祈願して歩き出します。

山岳信仰によって開山された黒戸尾根は甲斐駒ケ岳の表登山道で、日本三大急登の一つに数えられ、標高差2.300mのロングコースには高度感のある梯子や鎖場が連続して現れます。今や北沢峠の開通により、昔に比べここから入る登山者は減少しましたが、今なお甲斐駒ケ岳を愛する方はこう言います「黒戸尾根を登って初めて甲斐駒ケ岳を登ったと言え」。冬は必然的に黒戸尾根一択なんですが。

この時期は出だしから雪がたっぷりでもおかしくはないですが、薄く氷が張っており時折土が見える状態。登山道は全般的にトレースしっかり踏み固められて、ラッセルなしの快適な登山になりました。しかし南アルプスは南岸低気圧が3月に多くの雪を降らせることがあります、最新の状況は七丈小屋にお問い合わせください。

気持ちの良い森を進み続けます。

しばらくして横手との分岐に到着。かつて修験道の修行の道として踏まれていた時分には、横手から甲斐駒ヶ岳の山頂に登るのが表参道だったとか。

最初の難所「刃渡り」です。左右が開けて切れ落ちている場所です。滑落しないよう気を付けて進みます。

刃渡りを通過すれば刀利天に到着。ここでしばし休憩をとります。例年より雪で埋まっていないなという印象。

五合目に到着。ここにも昔は山小屋があったとのこと。ここからが黒戸尾根の核心部分、七丈小屋まで梯子や鎖が連続するエリアです。

上の写真のように高度感のある岩場もありますが、足元を見ればしっかりとステップが作られています。気を抜かず一歩ずついけば大丈夫です!

トラバースを越えれば七丈小屋に到着です。まだ時間はお昼過ぎ、体力的にも余裕があったため余分な荷物をデポしてこの日のうちに山頂へアタックです!

テント場からの鳳凰三山。しかし雪が少ない…もう一降りしてもらって春も残雪の山を楽しみたいです。

これより上部は開けてとても見晴らしがよくなります。振り返れば歩いて来た黒戸尾根と麓の街が見えます。

八日合目御来迎場からは雄大な甲斐駒ケ岳の山頂部が眺めます。

冬の核心部はここではないでしょうか。雪のついたルンゼ状の急登です。下りは気を使いますが雪の状況はよく、ステップも切られていたので大丈夫でした。ここがアイスバーンになっているとさすがに怖い場所です。

黒戸尾根の象徴的存在の二本の剣。

さあ山頂まであと少し!晴れてきたー!!

山頂へ到着!トレースばっちしなので、比較的楽に山頂へ着く事ができました。

今回共に行った仲間と記念撮影。何故かいつもピッケルを持てば野球のバッティングフォームをしてしまう…。後ろの北岳がくっきり見えます。

北岳をズームでぱしゃり。北岳は南側から見える尖った秀麗な姿をよく写真で見ますが、北側の小太郎尾根が山頂に向かってひねり上がるように見える姿が、個人的にはお気に入り。

仙丈ケ岳や鳳凰三山や富士山もしっかり見えます。

良い景色が見れてよかったー!風も穏やかでゆっくりと山頂からの景色を堪能できました。

そして七丈小屋へ戻って宴会だー!!

この時期に空いている小屋は本当に助かります。小屋内は暖かく、綺麗な布団で寝かしていただきました。お酒の種類も多くてびっくりです。八ヶ岳に比べ冬の入山者は少ないのにもかかわらず、通年営業をしている七丈小屋はとてもありがたい存在です。また小屋があることで遭難のリスクを低くもしています。冬だけではなく近年人気が出ている黒戸尾根、そのオアシスとして七丈小屋はずっとあり続けてほしい存在です。

さて長くはなりましたが今回はここまで。次は寒気が弱まれば北アルプスあたりも狙っている綾井のフィールドレポートでした~。

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